このページを共有
画数の多い漢字ランキング 日本一・世界一から常用漢字・小学校の漢字まで

画数の多い漢字ランキング 日本一・世界一から常用漢字・小学校の漢字まで

更新:2026-10-08

「いちばん画数の多い漢字って何画なんだろう?」と気になったことはありませんか。答えは「どの範囲の漢字で比べるか」によって変わります。小学校で習う漢字なら20画、ふだん使う常用漢字なら29画、辞書や文字コードまで広げると64画や84画の字があります。

このコラムでは、画数の多い漢字をランキングにして、日本一・世界一といわれる字から、常用漢字・小学校で習う漢字の最多まで、まとめて紹介します。ネットでよく話題になる「1024画の漢字」の正体も、正直にお伝えします。表の漢字はタップするとコピーできます。

先に答えをまとめると
  • 文字コード(Unicode)に入っている字でいちばん多いのは、「たいと」の84画
  • 大きな漢和辞典や戸籍の文字でいちばん多いのは、「龍」4つ・「興」4つの64画
  • 常用漢字でいちばん多いのは「鬱(うつ)」の29画
  • 小学校で習う漢字でいちばん多いのは「議」「競」「護」の20画
  • 「1024画の漢字」は辞書にも文字コードにも載っていない、うわさや創作の字です

画数の多い漢字ランキング(辞書・文字コードの「いちばん」を画数順に)

辞書や、パソコン・スマホで使う文字の決まり(文字コード)ごとに、「その中でいちばん画数が多い字」を選び、画数の多い順に並べました。きちんと登録されている字だけを集めています(表の字と字のあいだの画数の字がほかにない、という意味ではありません)。画数は、出典にしたWikipedia「筆画」の記事の数え方にそろえています。とても新しい文字(「たいと」「びゃん」)は、まだ表示できない端末が多いので、字の形を言葉で説明しています。

漢字画数読み・字の形どこで一番?
(多くの端末で表示されません)
84画たいと・だいと・おとど(とされる)。「雲」3つの字(䨺)と「龍」3つの字(龘)を組み合わせた形Unicode全体・国字(日本で作られた漢字)でいちばん多い
64画テツ。「龍」を田の字のように4つ並べた形大漢和辞典・戸籍統一文字・Unicodeの追加漢字面でいちばん多い(同点)
64画「興」を4つ並べた形大漢和辞典・戸籍統一文字・Unicodeの追加漢字面でいちばん多い(同点)
(多くの端末で表示されません)
57画びゃん。ビャンビャン麺の「ビャン」。数え方によって56〜58画とされることもあります中国の方言の字。ふだん使われる字ではとても複雑
52画「雷」を4つ並べた形康熙字典・Unicodeの基本多言語面でいちばん多い
48画トウ(龍が行くようす)。「龍」を3つ並べた形UnicodeのCJK統合漢字ブロック・新大字典でいちばん多い
36画新選漢和辞典でいちばん多い
34画「驫」の下に「木」JIS第4水準漢字でいちばん多い
33画「鹿」を3つ並べた形漢検1級・JIS第3水準漢字でいちばん多い
33画雨かんむりに「口」3つ、その下に「龍」JIS第3水準漢字でいちばん多い(同点)
30画「馬」を3つ並べた形JIS第2水準漢字でいちばん多い
30画JIS第2水準漢字でいちばん多い(同点)
29画うつ。憂鬱(ゆううつ)の「鬱」常用漢字・漢検準1級でいちばん多い

※「(多くの端末で表示されません)」の字も、コピーボタンを押すと文字としてコピーできます。貼りつけた先で表示されるかどうかは、相手の端末の文字(フォント)しだいです。

84画の「たいと」

「たいと」は、「雲」を3つ組み合わせた字()と、「龍」を3つ組み合わせた字()を、ひとつにまとめた形の漢字です。雲が6画、龍が16画なので、6×3+16×3=84画になります。日本で作られた漢字(国字)で、苗字として紹介されてきました。「たいと」のほか、「だいと」「おとど」と読むとする本もあります。

ただし、この苗字の人が本当にいたのかははっきりしていません。昔の苗字の辞典に載ってはいるものの、もとになった資料がわからないためです。漢字の研究者の笹原宏之さん(早稲田大学教授)は、実際には存在しなかったのにまちがって生まれた「幽霊文字」のひとつではないか、もとは「䨺龘」という2文字だったのではないか、という考えを示しています。

それでも「いちばん画数の多い漢字」として広く知られるようになり、2020年3月には、世界の文字の決まりであるUnicode(バージョン13.0)に「U+3106C」として登録されました。この字を店の名前に使っているラーメン店もあります。なお、法務省の「戸籍統一文字」で検索できる漢字は、64画までとなっています。

64画の「龍」4つ・「興」4つ

「龍」を田の字のように4つ並べた (テツ)と、「興」を4つ並べた は、どちらも64画です。龍も興も16画なので、16×4=64画になります。

この2つは、世界最大級の漢和辞典『大漢和辞典』に載っている字の中で、いちばん画数が多い字です。戸籍で使える文字をまとめた「戸籍統一文字」でも、この64画が最多です。つまり「辞書にちゃんと載っている漢字」でいちばん画数が多いのは、この2つだといえます。

明治時代の政治家・小野梓(おのあずさ)の幼いころの名前には、龍4つの字が使われていたことが知られています。画数の多い字を名前に使う例は、昔からあったのです。

ビャンビャン麺の「びゃん」(57画)

中国の陝西省(せんせいしょう)で食べられている、はばの広い麺「ビャンビャン麺」の「ビャン」も、とても画数の多い字です。「穴」「言」「幺」「長」「馬」「月」「心」「刂」などの部品を、しんにょうでぐるりと囲んだ形をしていて、57画で数えられます(数え方によって56〜58画とされることもあります)。

この字は、中国でよく使われる『新華字典』にも、むかしの大きな字書『康熙字典』にも載っていない、方言の字です。2020年3月にUnicode 13.0に登録されました(U+30EDD・U+30EDE)。日本でも2019年ごろから「ビャンビャン麺」を出すお店がふえ、2021年には『三省堂国語辞典』第八版に「ビャンビャン麺」という言葉がのりました。

あまりにも複雑なので、地元では書き方を覚えるための歌まで作られているそうです。

同じ字をくり返す漢字は、画数がふえやすい

ランキングを見ると、「龍」「雷」「鹿」「馬」など、同じ字をいくつも並べた漢字が多いことに気づきます。同じ字を3つ組み合わせる形は「品字様(ひんじよう)」とよばれ、ふだん使う漢字にもたくさんあります。

漢字組み合わせ画数のふえ方
「木」×3もとの字の画数×3
「口」×3もとの字の画数×3
「日」×3もとの字の画数×3
「車」×3もとの字の画数×3
「石」×3もとの字の画数×3
「金」×3もとの字の画数×3
「馬」×3もとの字の画数×3
「鹿」×3もとの字の画数×3
「龍」×3もとの字の画数×3

「森」は木が3つ、「晶」は日が3つ、「轟(とどろく)」は車が3つです。同じ字を4つ並べると、「龍」なら16×4=64画、「雷」なら13×4=52画と、一気に画数がふえます。

区分ごとの「いちばん画数が多い漢字」

「いちばん画数が多い漢字」は、どの漢字のグループで比べるかによって答えが変わります。よく話題になる区分ごとに、最多の字をまとめました。

区分いちばん多い字画数ひとこと
小学校で習う漢字(教育漢字)議・競・護20画「議」「競」は4年生、「護」は5年生で習います
常用漢字鬱29画2010年の改定で常用漢字に入りました
子どもの名前に使える人名用漢字鷹・麟24画異体字までふくめると「廳」の25画
JIS第1水準漢字欝25画「鬱」の別の形。古いJISの字形だと26画
JIS第2水準漢字驫・鸞30画
漢検1級麤33画「鹿」3つ
JIS第3水準漢字麤・龗33画
JIS第4水準漢字䯂34画
康熙字典䨻52画「雷」4つ
大漢和辞典・戸籍統一文字𪚥・𠔻64画「龍」4つ・「興」4つ
Unicode全体たいと(U+3106C)84画2020年3月に追加

常用漢字で画数が多い漢字

新聞や教科書など、ふだんの生活で使う目安になっている「常用漢字」(2,136字)では、「鬱(うつ)」の29画がいちばん多い字です。「鬱」は2010年の常用漢字表の改定で新しく入った字です。

漢字画数読み
29画うつ
23画かん・かがみ
22画きょう・おどろく
22画しゅう・おそう
22画ろう・かご
21画かく・つる
21画ま
21画こ・かえりみる
21画ろ・つゆ
21画やく・おどる
21画かん

このほか、20画の常用漢字には 騰・響・鐘・醸・護・譲・議・籍・競・欄・懸 があります。「護」「議」「競」以外は、中学校以上で習う字です。

画数は KANJIDIC2(日本の漢字の画数)によります。中国の辞書では1画ちがって数えるものもあります。

小学校で習う漢字でいちばん画数が多い漢字

小学校で習う漢字(教育漢字・1,026字)でいちばん画数が多いのは、「議」「競」「護」の3つで、どれも20画です。「議」と「競」は4年生、「護」は5年生で習います。6年生の漢字がいちばん多いわけではないのが、ちょっとおもしろいところです。

学年ごとに、いちばん画数が多い字と少ない字をまとめました。学年が上がるほど画数がふえる、というわけではないことがわかります。

学年習う字の数いちばん多い字画数いちばん少ない字画数
1年生80字森12画一1画
2年生160字顔・曜18画刀2画
3年生200字題18画丁2画
4年生202字議・競20画井・欠・氏・不・夫4画
5年生193字護20画久・士3画
6年生191字警・臓19画干・己・寸・亡3画

学年の配当は2020年度からの学年別漢字配当表、画数は KANJIDIC2 によります。

反対に、画数がいちばん少ない漢字は?

常用漢字でいちばん画数が少ないのは、「一」と「乙(おつ)」の1画です。2画の常用漢字は、九・七・十・人・丁・刀・二・入・八・又・了・力 の12字です。画数の少ない字は形がシンプルなぶん、名前やロゴに使うと、すっきりと力強い印象になります。

画数の数え方のきほん

画数とは、字を書くときに、筆(ペン)をおろしてから離すまでの「線」や「点」の数のことです。ひと筆で書く折れ曲がった線は、1画と数えます。漢和辞典では、まず部首で分け、その中を画数の少ない順に並べるのが一般的です。

ただし、同じ字でも辞書によって1画ちがって数えることがあります。とくに、むかしの字の形(旧字体)や、くさかんむり・しんにょうなどの部首の形によって、画数が変わることがあります。名前の画数を調べるときは、どの数え方かをそろえることが大切です。くわしくは名前・苗字によく使う旧字体一覧のコラムでも紹介しています。

名前に使える漢字でいちばん画数が多い字

子どもの名前には、常用漢字と、法務省が決めた「人名用漢字」が使えます。人名用漢字でいちばん画数が多いのは「鷹(たか)」「麟(りん)」などの24画、もとの字の別の形(異体字)までふくめると「廳」の25画です。常用漢字の「鬱」(29画)も、ルールの上では名前に使える字に入っています。

画数の多い字は見た目に重みが出る反面、書くのが大変で、読み間違いもふえます。キャラクターの名前やペンネームに使うなら、ひと文字だけ画数の多い字を入れて、ほかはシンプルな字にすると、ぐっと読みやすくなります。名前に使える字は、名前に使える漢字一文字のページで、意味つきで探せます。

「1024画の漢字」や「786画の漢字」は本当にある?

ネットでは「世界一画数が多い漢字は1024画」という話をよく見かけます。けれども、1024画の字は、辞書にも、Unicodeなどの文字コードにも登録されていません。「人」という字をたくさん並べて円で囲んだ形だ、といった説明もありますが、出どころのはっきりしない、うわさや遊びで作られた字だと考えるのが安全です。

同じように、「786画の漢字」や「108画の煩悩(ぼんのう)の漢字」なども紹介されることがありますが、これらは誰かが考えて作った「創作漢字」です。「172画の古代の漢字(huáng)」と紹介される字もありますが、出どころがはっきりせず、辞書や文字コードには登録されていません。字を組み合わせるアイデアとしては楽しいものの、正式な漢字ではありません。

漢字は、部品を組み合わせれば、いくらでも画数の多い形を作れてしまいます。だからこそ、「辞書や文字コードに登録されているか」で区切って考えると、すっきり整理できます。

画数の多い漢字の楽しみ方

画数の多い漢字は、ただ「むずかしい字」というだけでなく、創作のアクセントにも使えます。

かっこいい雰囲気の漢字はかっこいい漢字一文字、読むのがむずかしい漢字は難しい漢字一文字や難読漢字一覧でも、読み方と意味つきで紹介しています。画数の多い字をふくむ苗字は難読苗字の読み方のページもどうぞ。

まとめ

画数の多い漢字は、「どこまでを漢字とみなすか」で答えが変わります。文字コードに入っている字なら「たいと」の84画、大きな辞書なら「龍」4つ・「興」4つの64画、常用漢字なら「鬱」の29画、小学校で習う字なら「議」「競」「護」の20画です。1024画のような字は、うわさや創作の字として楽しむのがよさそうです。

よくある質問

日本一画数が多い漢字は何画ですか?

日本で作られた漢字(国字)として知られている「たいと」の84画です。ただし、苗字として本当に使われていたかははっきりしていません。辞書に載っている字では、「龍」を4つ並べた字などの64画が最多です。

世界一画数が多い漢字は?

文字コード(Unicode)に登録されている字では、「たいと」の84画がいちばん多い字です。1024画・786画・172画などの字は、辞書にも文字コードにも登録されていない、うわさや創作の字です。

常用漢字でいちばん画数が多い漢字は?

「鬱(うつ)」の29画です。2010年の常用漢字表の改定で加わりました。

小学校で習う漢字でいちばん画数が多いのは?

「議」「競」「護」の20画です。「議」と「競」は4年生、「護」は5年生で習います。

ビャンビャン麺の「びゃん」は何画?

57画で数えられることが多い字です。数え方によって56〜58画とされることもあります。2020年にUnicodeに登録されましたが、まだ表示できない端末も多い字です。

参考

ほかのコラム

▲トップへ